低温焙煎解説f42 コーヒーの繊維質を解すには133℃安定と保有熱

低温焙煎では、この温度帯からスタートしなければ、生豆の繊維質を十分に解すことができません。

1ハゼで完熟した浅煎りに仕上げるには、生豆内部の水分を1ハゼまでにしっかり抜く必要があります。

しかし、生豆は硬い繊維質に包まれているため、いきなり熱を加えただけでは内部の水分は簡単に抜けません。

繊維質がほぐれることで、初めて生豆内部の水分の通り道ができ、効率よく水ヌキが進むようになりますが、そのメカニズムについては、解説が長くなりますので改めて別の章でお話したいと思います。

スタート温度は季節によって意識的に微調整する必要があります。

この範囲に安定するよう、焙煎前に窯の加熱状態を調整します。

不思議なことに、この温度帯から外れると、生豆の繊維質がうまく解れてくれないのです。

正直なところ、

その理由を理論的に完全説明できるわけではありません。

さらに重要になるのが「保有熱」の調整です。

例えばフライパンで炒め物をするとき、

どちらも上手く調理できません。

これは、フライパンが持っている熱量が、炒め物をうまくするのに適切な温もりではないからです。

焙煎機も同じです。

お湯を沸かす時間が夏と冬で違うように、焙煎も季節の影響を大きく受けます。

例えば当店では、生豆を室温保管していますが、

と、10度以上の差があります。

さらに、

これらすべてが季節によって変化します。

「生豆の繊維質を解す」と一言で言っても、

実際には、

これらを総合的に考えながら調整していく必要があります。

自然条件は季節ごとに変化します。

低温焙煎を理解するうえで重要なのは、

この2つです。

この土台があるからこそ、生豆の繊維質がうまく解れ、効率よく水ヌキが進み、1ハゼ完熟の浅煎りへとつながっていくのです。

ここまでで「保有熱」という概念を少しイメージしていただけたでしょうか。

次回の解説では、具体的にどのように「保有熱の調整」を行っているのかを、実際の焙煎動画とともにご紹介します。
引き続き「低温焙煎」にご興味を持っていただければ嬉しいです。