フクモト珈琲の低温焙煎は、
「苦くないコーヒー」を目指して44年間研究を続けて完成した独自の焙煎方法です。
コーヒー豆本来の甘味や香りを引き出すために、生豆の状態から丁寧に熱をコントロールし、1ハゼで完熟した浅煎り豆に仕上げることを大切にしています。

私が本当に美味しいと思う珈琲の定義は
『冷めても最後の一滴まで飲み干したくなるような味わいの珈琲』です。
生豆の品質に問題があるか、焙煎が上手く煎れていない珈琲豆は、淹れたての温かい時は分からなくても、
珈琲が冷めてくると雑味やクセが尖って強調され、最後まで飲み切るのが辛くなってきます。
逆に、良質の生豆を上手く煎り上げた珈琲豆は、一口目は少し軽い味のように感じられますが、
珈琲が冷めるにつれて味が丸く綺麗に引き締まってきますので、最後まで抵抗なく美味しく飲み切ることができます。
最後はカップのそこに残った”珈琲の残り香”までを楽しむことができます。
珈琲の本当の美味しさは『冷めてからが勝負』なのです。
“フクモト珈琲の低温焙煎”とは そんな”味わいの珈琲”を作り出すために考案された焙煎方法です。

“フクモト珈琲の低温焙煎”は、多くの焙煎方法と大きく違う点が一つあります。
それは『珈琲の生豆は繊維質の硬い塊』であるという認識に立って、焙煎方法を組み立てているところです。
『クリアで濁りがなく、深い味わいのある珈琲』を作るには、生豆の芯までしっかり熱を伝えて素材の持つ美味しさを十分に引き出すことが求められます。
そのためには、焙煎の初めに『生豆の繊維質を優しく上手く解す』ことができるか否かが焙煎の成否を大きく分けるのです。
“フクモト珈琲の低温焙煎”最大の秘密は、まさにここにあるのです。

最後に、自分の焙煎スタイルを“低温焙煎”と名付けた由来についてお話させてください。
“低温焙煎”と言う言葉から「低温でゆっくりと煎る焙煎方法」とよく誤解されますが、それは違います。
他の焙煎方法では「焙煎の初めから生豆を煎る」という視点から焙煎を組み立てている方法が多いように私は感じています。
「生豆が茶色に色づいてきたら」生豆が煎れているという考え方です。
私の低温焙煎では「焙煎の初めは生豆を優しく温めて、生豆の繊維質を無理なく解す」という焙煎方法をとっています。
最初から「生豆が茶色に色づくような火力」では、繊維質は解れる前に焼けてしまうからです。
そこから
”火力が強い=高温”
“生豆を温める=低温”
というように対比させる意味を込めて『低温焙煎』と命名したのです。
“低温で長時間の焙煎をする”と言う意味では決してないのです。
