『低温焙煎』を解説するno,39

コーヒーの焙煎に欠かせない工程の一つに「水ヌキ」があります。

特に浅煎りコーヒーをクリアで果実感あふれる味わいに仕上げたい場合、この「焙煎水ヌキ」を丁寧に行うかどうかで、仕上がりの美味しさは大きく変わります。

この記事では、低温焙煎における水ヌキの重要性と、その役割について詳しく解説していきます。

低温焙煎という焙煎方法は、**「1ハゼで完熟した浅煎豆を煎る」**ために考案されました。

「1ハゼで完熟した浅煎はできない」という声もよく耳にします。
今回の動画では、そのために欠かせない工程である**「焙煎の水ヌキ」**について解説します。

焙煎の動画を拝見していると、多くは「1ハゼを過ぎて1.5ハゼや2ハゼ手前」で煎止めされているように感じます。

一方、低温焙煎では
👉 焙煎初期に生豆の繊維質をほぐし、水ヌキを済ませてから、芯からじっくり火を入れる。
このスタイルは、一般的な焙煎方法とは大きく異なる独自のものです。

焙煎における水ヌキについては、

  • 「青臭さを取り去るために必要」
  • 「なくても焙煎できる」
    と、相反する考えがあります。

どちらも間違いではありません。

水ヌキをせずに浅煎に仕上げようとすると、渋みが残る未熟な浅煎となり、最低でも1.5ハゼまでは進めざるを得ません。

私が「1ハゼ完熟の浅煎」にこだわるのはなぜか――

焙煎は、生豆に熱を加えて美味しさを引き出す作業です。
加える熱量が大きいほど、生豆の有機質や成分は損なわれます。

低温焙煎は、生豆にかかる負荷が少なく、繊維構造を保ったまま煎り上げます。
その結果、

深煎でも「浅煎の旨味を残したマイルドな苦み」に仕上がり、苦味が苦手な方にも高評価をいただいています。

市販の浅煎豆の中には、硬すぎて噛み砕けない豆も少なくありません。
これは、表面は色づいていても芯に火が通っていない証拠です。

一方、完熟した浅煎豆は、噛むと小気味よい歯ごたえで砕けます。

この「噛んだ時の感触」を経験として重ねていくと、煎り豆内部への火の入り具合を推測できる目が養われていきます。

低温焙煎における「水ヌキ」は、

「水ヌキ」の役割について、少しでも理解を深めていただけたら幸いです。