低温焙煎解説f44 窯の蓄熱で包むようにして豆を煎る

低温焙煎を一言で表現するなら、

そして、私が繰り返しお話ししている「保有熱の調整」とは、

特に季節の変わり目は注意が必要です。

外気温が変わると、窯の冷め方も変わります。

すると同じ火力で焙煎していても、生豆が受け取る熱量は大きく変わってしまいます。

だからこそ、

なのです。

重要なのは

その適切な温もりの中で、生豆の繊維質はゆっくりと解れ、水分は無理なく外へ抜けていきます。

逆に、窯の状態が適切でなければ、表面だけ色づいても芯まで熱は届きません。

これでは本当の意味で美味しいコーヒーにはならないのです。

「繊維質をほぐすには、弱火でゆっくり煎ればいい」

そう思われる方も多いかもしれません。

重要なのは火力よりも、

なのです。

窯の状態、つまり「熱の布団」が整って初めて、生豆の繊維質は無理なく自然に解れていきます。

特に重要なのが、焙煎開始から約8分30秒までの工程です。

言い換えれば、

と言っても過言ではありません。

保有熱の具体的な整え方については別の機会に詳しくお話しします。

ここでは、実際の温度設定をご紹介します。

保有熱の調整が終わったら、

そして火を止め、生豆を投入します。

その後、

よく、

という質問をいただきます。

正直に言えば、これは理論よりも経験から導き出した数値です。

長年試行錯誤を繰り返した結果、私の焙煎機ではこの温度帯が最も良い結果になりました。

おそらく、生豆の繊維質が最も自然に解れる「適正な蓄熱量」が存在するのでしょう。

もちろん、

「160℃が絶対に正しい」

という意味ではありません。

温度計の位置も違えば、焙煎機の構造も違います。

同じ160℃表示でも、実際の熱の伝わり方は機械によって異なります。

大切なのは、

ここで紹介している数値は、あくまで参考値としてお考えください。

ここからが低温焙煎の大きな特徴です。

しかし、私の低温焙煎では違います。

焙煎スタート時の温度は、

で安定するように火力を調整します。

この温度帯が、生豆の繊維質が最も自然に解れてくれるポイントなのです。

その結果、味にも大きな違いが現れます。

ただし、この温度も私の焙煎機でのデータです。

焙煎機の構造や設置環境によって適正値は変わります。

最終的には、それぞれの焙煎機で試行錯誤しながら探し出すしかありません。

設定温度で安定したら、火力をガス圧90まで落とし、本格的な焙煎が始まります。

その後、私の低温焙煎では、生豆の種類によって多少の違いはありますが、

そして1ハゼを迎える頃には、

になっています。

だからこそ、

が可能になるのです。

実は、1ハゼで完熟浅煎りになる理由は、水分が抜けているからだけではありません。

その部分については、次の章でさらに詳しく解説していきたいと思います。

低温焙煎の本質は、まだまだ奥が深いのです。