浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い (パート2)
その店は『マ〇リー』と言う名前のコーヒー専門店で、自家製の布ドリップを使い、手元を卓上ライトで照らしながら、丁寧に一杯ずつ淹れた本格的な布ドリップコーヒーを飲ませてくれるお店でした。
私、いろんなところでコーヒーを飲みますが、こんなに丁寧にコーヒーを淹れて飲ませてくれた店は、その後1軒も出会っていません。
勿論、全国にはしゃれた素敵な店はあまたありますし、有名なコーヒー屋さんも沢山ありますが、一杯点ての本格的布ドリップコーヒーを提供してくれるお店にはまだ出会っていません。
ご存じの方がおられたら是非教えて頂きたいです・・・(真面目な話ですよ)
そして布ドリップで淹れたコーヒーの、コクとまろやかさにビックリ・・・・
それからは暇を見つけてはその店に足繁く通い、カウンターでコーヒーを飲みながら親しくなった店主とコーヒーについて語り合う日々が続きました。
私が本で知りえた知識通りにコーヒーを淹れても、美味しくできないことなど色々な疑問を投げかけると、明快で判りやすい答えが直ぐに帰ってくるのです。
まさに目からウロコが落ちる思いでした。
後に知ったことですが、地域ではコーヒーが美味しいと評判の店で、コーヒー業界の古い方達の間では、一目置かれるような名物店主でした。
※現在は、高齢で引退されてお店もありません。
その店のコーヒーを飲んで判ったことは・・・
私は決してコーヒーが嫌いではないと言うことでした。
今でこそ、マイルド・ストロングとか浅煎・深煎とか焙煎度数の違いでコーヒーの味わいも違うことは常識になりましたが、当時はそのような認識は一般的ではありませんでした。
コーヒー専門店という店の形態自体もまだ珍しい時代でした。
今思えば、私たちが学生時代に通ってコーヒーを飲んでいた店のコーヒーはどのような味だったのでしょうか・・・・?
おそらくは大量に淹れたコーヒーを、注文が通るたびにただ温めて提供されただけの濁り切ったコーヒーではなかったかと・・・・(=◇=;)
コーヒーの豆なんかも真剣に吟味すると言うこともなかったのではないかと・・・
私はそんなコーヒーの味が美味しいと思えなかっただけなのです。
それほどにコーヒーと言うものに対する認識がなかったと言うか、その時代は、それで普通の時代でした。
だから、丁寧に淹れられた澄んだ味わいのコーヒーを飲んだ時に、初めて心から『美味しい』と思ったのでしょう・・・・
私にとっては、それほどに衝撃的な出会いだったのです。
次回に続く・・・
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