『焙煎機排気弁の1ミリの怖さを知ること』
=======
『外気と室内の温度差・空気の流れで排気の状態は微妙に変化する』
私が35年間の焙煎経験から学んだ「排気の法則」です。
焙煎機には排気弁と言うものがついています。
排気弁は煙突で室外のサイクロン(豆のカスが溜まるとこ)に繋がっています。
サイクロンから上に煙突が伸びて、焙煎時の排煙は外に排出される仕組みになっているのです。
簡単に説明すればそれだけの事ですが、この排気の状態と言うのが、豆を焙煎するうえでとても「大きな要因」となっているのです。
焙煎釜内部に送られた熱量は、排気弁の位置によって『釜内部での籠り具合』を微妙に調整されますが、その調整具合が『焙煎の出来不出来に決定的な影響』を与えます。
『排気弁の開き加減』と言うのは、焙煎機のタイプや煙突の設置環境によっても違いがありますので、どの位置が正しいかは個々に違います。
私も、自分の焙煎機には『この位置だ』と言う刻印を刻んでいます。
そして『これで一件落着!』と行けば話は簡単なのですが、最初に述べましたように『外気と室内の温度差・空気の流れでも排気の状態は微妙に変化する』のです。
四季を通して観察していると『夏と冬とでは室内と室外の温度差が真逆になっています』
焙煎時の生豆の進行具合も、夏と冬では大きな違いが生じてきます。
そこで排気の開き加減にも『微調整』が必要になってくるのです。
排気弁の開き加減を『1ミリ開くか閉じるか』は、僅か1ミリではありますが『焙煎の出来不出来に決定的な影響』を与えるのです。
そんな経験を何千回と繰り返してきました。
いまだに弁の調整は常に真剣そのものです。
こんなことを言っているとまた『偏屈とか頑固』とか言われる声が出てきそうですね(^_^;
フクモト珈琲店主
no.6に続く
|