スペシャルティコーヒーとは
Specialty Coffeeの語源は米国Knutsen CoffeeのErna Knutsen女史が1978年にフランスのコーヒー国際会議で使用したのが起源で、そのコンセプトは単純明快です。

『special geographic microclimates produce beans with unique flavor profiles 』
(特別の気象・地理的条件がユニークな香気を持つコーヒー豆を育てる)


この基本理念から発展して近年のスペシャルティーコーヒーの運動は発展してきました。
しかし何がスペシャルティーコーヒーなのか・・・世界統一の定義はまだ固まっていません。

従来の商品と区別される差別化商品のスペシャルティーコーヒー。
スペシャルティーの定義すら確立されていないコーヒーの世界ですが、コーヒーの世界の分類は年々進んできており、大まかに分けると下図の様に階層化が進んできています。
これらの基本理念を元にした一般的な定義は・・

■ ティピカ・ブルボンなど伝統在来品種を中心としたアラビカ種の品種が特定できること

上記はスペシャルティコーヒーの定義の第1項ですが、なぜ『ティピカ・ブルボンなど伝統在来品種』に拘るのかその訳をご存知ですか・・・

コーヒーの木は本来、自然に自生して生えていた潅木です。

つまり昔は、人が手をかさずとも自然に育ってできていた植物なわけです。
このコーヒーの木にできたコーヒーの実から生豆をとりだし、焙煎という工程を加えることで人は現在のコーヒーを楽しむ方法を発見しました。

ここから本格的にコーヒーの木を栽培するようになったわけですが、この
コーヒーの木は実は天候や害虫といった環境の変化に弱い植物です。

特に品質の高い銘柄を生み出すコーヒーの木は、育てるのに非常に手間とリスクが高いという側面を持っています。

そのため品種改良の研究が進み、できるだけ天候不順や害虫といったことに対して負けない品種の木が開発されていきました。


その結果、生産性や病中害に対しての抵抗性は大いに向上しましたが、これが味とリンクしていけば問題はないのですが、品種改良によって生み出された品種のコーヒーの木は、昔ながらの自然に生えていた原種からできたコーヒーと比べると、味のタッチが異なるということが、おきやすくなりました。


とはいえ、そのような『昔ながらの原種のコーヒーの木を植えてコーヒーを生産している国は現状ではすくない』

この原種のコーヒーの木からできた銘柄は、なかなか手に入りにくい状況になっています。

つまり、昔ながらのコーヒー本来の旨味をもった原種のコーヒーは生産量が非常に少ない・・・・・

『スペシャルティコーヒーたる所以の一つです』



また、『原種のコーヒー(スペシャルティコーヒー)』の産地を見比べてみるに、コーヒー先進国よりも、コーヒー後進国ともいえる経済的には貧しい国(失礼)であったり、未開の奥地の生産地であったりと、機械化と量産体制がされていない人の手による昔ながらの手間のかかった栽培方法の産地が多いように思います。

つまり、例えていえば
『養殖ではない天然物のコーヒー』と言ったところでしょうか・・・・


■ 農園や栽培地区が特定できるもの
地域を特定するという事は、土壌、品種、栽培方法、精製などのプロセスを特定する事にもなります。

■ 栽培・精製の過程に手抜きが無いこと
良いコーヒーを作り、最高の味に仕上げ、高値で売るという農園主の高い志が、栽培の過程に現われます。
摘み採り時の完熟度、選別、乾燥方法、欠点豆の除去などが確実に行われることが条件です。

■ カップにした時、産地特有の個性が現われていること

プレミアムコーヒーと大きく違うところは、必ず味(カップ)の評価を受けるという事。
その土地特有の個性ある風味が感じられるものが良いものと言えます。

S.C.A.A.(米国スペシャルティーコーヒー協会)のDon Holly氏はこう言います。

『結局スペシャルティーコーヒーはカップで決まる。 一杯のカップが消費者の手に渡るのには多くのステップがあり、 全てのプロセスで最高品質が維持されてスペシャルティー足るものが守られるのだ』






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