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お客様から頂いたご質問と 返信メールの一部を ご紹介しています。 |
最近珈琲に凝っているのですが、いろいろ調べたら85度前後のお湯を 注ぐのがいい、というのが多いです(間違っていたらすいません)。 そこで、85度のお湯を準備しても、注いでいる間にヤカンのお湯の温度が どんどん下がって、注ぎ終わる頃には80度を下回っている時があります。 これはあまり気にすることはないのでしょうか? 最近は大量のお湯を沸かして、温度低下するのを防いでいますが、他に手はありますか? |
珈琲の抽出方法は多種多様です。お湯の温度についての規定も色々ですネ。 90℃台の熱湯〜水(10℃〜20℃ぐらい)まで、抽出可能な温度には幅があります。 抽出時間さえ長くすれば『水だし珈琲』と言うのもあります。 つまり抽出方法によってお湯の温度というのは様々ですので、一がいにこれが正しいとは言えません。 ただ一ついえるのは、温度が高い方が「コーヒーの覇気」と言いますか、口に含んだ時のコーヒーの余韻は強く出ると言う事です。 水出しはまろやかな味にはなりますが、「コーヒーの覇気」という点では弱いといえます。 HPの「珈琲探訪NO,2」で掲載しています私流のドリップ抽出方法では、80℃台のお湯では温度が低いと思います。 http://www.fukumotocoffee.com/tanpou2.html ちなみに私はコーヒーを淹れる時にお湯の温度というのを計った事はありません。 ●ポットをガスにかけます。 水が沸騰した時の温度は100℃です。 ポットをガス台から持ち上げて沸騰が収まるのを待ちます。 (この自点でのお湯の温度は約95℃ぐらいだと思います) ●1回目のお湯を注ぎます。 注ぎ終わる頃にはおそらく90℃くらいになっている事でしょう。 ●1回目のお湯が落ちるのを待っている間に再びポットをガスにかけます。 再沸騰すれば元の100℃です。 これの繰り返しをすれば約95℃〜90℃の間で温度をキープする事が出来ます。 もう一度おさらいをしますが、お湯の温度と言うのは抽出方法によって様々ですので、これが絶対という温度はないと言う事です。 抽出温度によって味わいも異なりますので、飲んでみて美味しいと思える時の温度が、その抽出方法にとっての正しい温度と言う事です。 |
フクモトさまの珈琲を毎日のように飲んでいます。 少し水っぽくなるのは、何か理由がありますよね。 何かアドバイスがあれば、お願いします。 |
豆の量を増やすか、挽きの粗さを細かくすると言うのも一つの方法ですが、一番良いのは挽きたての豆を使用する事です。 家庭で楽しみとしてコーヒーを淹れるのであれば、そこまでする事はないかと思いますが、営業としてコーヒーを淹れるのであれば、『煎りたて・挽きたて・淹れたて』の3つの原則を守る事は「美味しいコーヒー」を提供するためには必須項目だと言えます。 お湯を吸収する力(泡の膨れ方)が挽きおきの豆とは比べものにならないぐらい強いですから、その分味もしっかりとします。 ドリップで1〜2人分のコーヒーを淹れておられるとしたら、お湯の注ぎ口の細いドリップ用のポットも必要ですネ。 ドリップの少量だてというのは、ある程度の熟練がないと難しいものです。 最初のお湯の落とし方で、そのコーヒーの味の骨格が決まってしまいます。 コーヒーの液体に濁りのないキレのある味にしようと思えば、ドリップが最適な抽出法だと言えますが、淹れる人の技量の差で味の違いがある程度出るのは仕方がない抽出法だと言えます。 サイフォンは正しい抽出方法さえマニュアル化すれば、誰が淹れてもある程度均一な味がだせる抽出法だと思います。 ただ、ドリップのようなピュアな味にならないのが欠点といえば言えます。 どちらでも、『煎りたて・挽きたて・淹れたて』の3つの原則を守らなければならないのは言うまでもありませんが・・・ コーヒーの味というのは個々人の好みもあって、なにが美味しいのか迷ってしまう事も度々ですが、私が修行時代に恩師から良く聞かされた言葉があります。 『コーヒーはお湯のように仕上げて、お湯でない味にする事』 禅問答のような言葉ですが、「お湯のようにクセがなく後味サッパリとしてるのに、コーヒーの味がシッカリででいるコーヒーが最高のコーヒー」だと言うような意味です。 今の焙煎の原点となった言葉です。 |
珈琲の酸味についてお聞きしたいのですが 同じ焙煎度で酸味の強い順に5種類ほど教えてください |
言うまでもありませんが、コーヒーの味と言うのは基本的に酸味の味です。 ただ、一口に「酸味」と表現しても、果物でたとえるとリンゴ・みかん・イチゴ・パイナップルなどの味も全て酸味ですが、それぞれに特徴のある酸味の味がしますよネ。 そして、その酸味の味わいもいつでも同じと言う訳ではありません。 甘味のあるときもあれば、ただ酸っぱくて水っぽい時もありますし、時には熟していなければ渋みを伴う時もあります。 農作物ですから当然といえば当然です。 コーヒー豆も農作物ですから、同じような事がいえます。 加えて焙煎方法と言う別の要因が加わりますので、余計に複雑な結果になってくる事もあります。 ※コーヒー豆が青手の時期と枯手の時期でも、酸味の味わいが違ってきます。 『酸味の強い順』にという事ですが、別な見方で言えば『味の力の強い順』と言い換える事も出来ます。 お尋ねの答えになっていませんが、順位をつけることは難しい面もありますが、あまり意味のない事のようにも私的には思います。 無理やり答えるとしたら、大きく分けて酸味系というカテゴリーで言えば、『キリマン/モカ/ガテマラ/コロンビア/バリ・アラビカ』というところでしょうか。 但し、焙煎という別の要因がありますので、焙煎の仕方でも酸味の味わいは大きく変わってきます。 結論としては、「飲むしかない」と言う事です。 同じ豆でも、「今日の豆はこんな味なんだと」おおらかに捉えることが無理のない理解の仕方だと思います。 非常にいい加減な表現のようですが、農作物ですからいかにもノギスで測ったような表現の方がムリがあるように思います。 |
豆の挽き方は 粗いのと 細かいのでは どうちがうんでしょうか。 これがわからなくて 買うのを躊躇してしまうんです。 |
同じ豆でも「粗いのと細かいのでは」味のタッチが全く違います。 当店では「荒挽コーヒー」をお勧めしています。 「荒挽」の方がコーヒーの味がピュアーだからです。 しかし、コーヒーの好みは人それぞれですから、「細挽」が好きと言う人がいても不思議はないです。 結局は、自分の好みはどちらの味が好きかという事ではないでしょうか。 抽出に使用する器具によっても違いがありますが、布ドリップでコーヒーを淹れるのであれば、「細挽」のコーヒーも捨てがたい味にする事は可能です。 豆の挽きの粗さに応じた抽出方法というのがあります。 どちらにしても液体に濁りがあるときは、後味サッパリと言う味にはなりません。 |
最近インターネットで生豆を焙煎する機能が付いたコーヒーメーカーがよく販売されていて購入したいなと思う時が有るのですが自分で焙煎してみて失敗するんじゃないかと心配でまだ購入していません、失敗しないで簡単に出来るものなのでしょうか? |
自家焙煎がプームのようになっていますネ。 楽しみとして取り組んで見るのは面白い事だと思いますが、「煎りたてだから即全てが美味しい」と単純にいくほど焙煎というのは生易しいものではありません。 私など29年ほどコーヒーに関わっていますが、未だに焙煎と言うのは難しいものだと思っています。 「煎りたてだから即全てが美味しい」と単純に行ってくれればどんなに楽かと思う事しきりです。 実際に使用していませんので、どの程度の性能のものかは私も判りませんが、『趣味のおもちゃ』と考えれば楽しいのではないでしょうか。 小型の焙煎機と言うのは昔からありますが、『テスト焙煎』と言って生豆のサンプルを焙煎してクセなどを調べるために使用するのが目的で、本格的な焙煎をするのは無理です。 私の経験では最低でも3s以上の容量のある焙煎機でないとバランスのとれた焙煎をする事は無理だと思います。 焙煎と言うのは単純に生豆を煎れば良いというものではないからです。 但し、不完全な焙煎の豆でも、煎りたての香ばしい味だけは間違いなく味わえますので、そういう意味では良いと思います。 ※美味しいかどうかは別問題です。 |
二回同じ豆をいただきましたが、1度目と味が違います。 1日5,6杯以上は飲むので違いはわかります。 何か原因があるのでしょうか? |
抽出器具が違えばコーヒーの味わいも違ってきますが、同じように抽出されたと言う前提でお話します。 乱暴で無責任な言い方に聞こえるかも知れませんが、コーヒーというのは厳密に味見をすると、毎回少しづつ味わいが異なるものです。 リンゴやミカンの果物に例えて言えば、同じ果物でも厳密に味わえば甘味・酸味・水っぽさと言うのが違うように、コーヒーも農産物ですから同じ種類の豆でも、俵が変われば生豆の質が変わります。 そのうえコーヒーの場合は焙煎という問題があります。 焙煎というのは厄介なもので、毎回同じように焙煎しているつもりでも、暖かい日や冷え込みのきつい日などその時々の外気温の違いで、豆の煎りあがりに微妙な違いが出てきます。 同じ俵の生豆でも、豆のちょっとした火の入り加減で酸味・苦味・甘味の強弱などの違いが直ぐに出てきます。 専門用語では『焙煎のブレ』と言いますが、ある程度のブレがあるのは仕方がないことと言えます。 問題はブレの範囲が、商品として許容できる範囲内に収まっているかと言う事です。 極端にブレて味的にも大きな問題がある時は、「不良品」という事になります。 ※「不良品」と言えるような時は遠慮なくお申し付けいただければ、誠意を持って対処させて頂きます。 それ程でもなく許容できる範囲内であれば、それもコーヒーの味わいの一つとして受け入れることも必要だと思います。 私の毎日の仕事は、焙煎ごとにカップテストをして、味の違いを確認する事が日常業務ですが、365日同じ味わいのコーヒーは一つもないと言うのが実感です。 来月頃から昨年秋に収穫された新物(青手)の生豆が市場に入荷してきますが、新物の豆が多く使われるようになると、コーヒーの味わいもまた大きく違ってくることでしょう。 |
コロンビアをブレンドのベースに使用されるとのことですが その割合は、通常は他の豆より多めにするのですか それとも少なめにするのでしょうか? |
ブレンドをする時の基本は、1品あたり2割以上の割合で配合しなければ味として反映されないと言う事です。 ですから、どんなにブレンドする豆の種類を増やそうとしても5種配合以上のブレンドは意味がないといえます。 3種配合の基本パターンは 【5:3:2】 というのが多いです。 4種配合の基本パターンは 【3:3:2:2】【2:3:3:2】 というのが多いですネ。 配合する豆ですが、何でも良いと言うのではなく、酸味主体の豆と苦味主体の豆をバランスよく配合するのが基本です。 酸味主体の豆ばかり或いは苦味主体の豆ばかりと言うような配合では、偏った味のブレンドになってしまいます。 両者の味のつなぎ役としては、サントスがベストです。 例)【5:3:2】の3種配合 【サントス5:コロンビア3:ジャバ2】 でサントス・ブレンドとなります。 逆に 【コロンビア5:サントス3:ジャバ2】 でコロンビア・ブレンドと言うようになります。 強調したい味の豆の割合が、一番多いということですネ。 |
マンデリンには煎りの違うものが二種類あったと思いますが、 私は煎りの浅い方を注文しました。 届いた豆はアイスコーヒー用かなと思うくらい黒光りする豆 だったのですがあれが煎りの浅い方なのでしょうか? 今日届いたマンデリンは私にはすこし苦かったものですから。 |
当店のマンデリン中煎は黒光りするくらいの色あいをしています。 その程度まで煎らないとマンデリンの良さが出ないからです。 ※マンデリン深煎はもう一段黒光りするぐらいの色合いです。 当店で初めてマンデリンを購入された方は、度数の深さに驚かれるようですが、焙煎の度数というのは焙煎する方のその豆に対する考え方が色濃く出てくるものです。 私の場合はマンデリンという豆は、酸味の味が出るような浅煎では煎り方が不十分だと感じています。 なぜなら、マンデリンの豆のクセ(青み)が取りきれないし、酸味ではマンデリン以上に綺麗な酸味を持っている豆は他にいくらでもあるからです。 例えば、コロンビア・ガテマラ・キリマンなどです。 他の豆にはないマンデリンの良さとは、「ドッシリとした濃くのある味わい」に他ならないと私的には思っています。 >今日届いたマンデリンは私にはすこし苦かったものですから。 ○○ 様は豆のままでご購入されていますが、豆はどの程度の粗さで挽かれていますか? 細かく挽きすぎていませんか? たいていのお客様は細かく挽きすぎておられるように思います。 当店の標準の粗さは、他店では荒挽きといわれる粗さです。 『珈琲探訪NO1』でも紹介していますが、ゴマ粒ぐらいの粗さの粒子がある程度含まれるぐらいの荒挽きで挽いて試してみてください。 また違った味わいのコーヒーになると思いますヨ。 |
他店のネット販売で、先日コーヒーを買いました。 コーヒー豆につやはあるのですが、油っぽい感じで気になったので、 メールで質問したところ返事が無かったので、ずーっと、気になっています。 コーヒー豆が油っぽいのはなぜでしょう? 近所のコーヒーのお店で買ったら、豆に全くつやが無く、香りも全然ありませんでした。 こちらのお店で買った豆にはつやがあって、よい香りがしました。 なぜこんな違いがあるのでしょうか・・・。 |
>コーヒー豆につやはあるのですが、油っぽい感じで気になったので、 >ずーっと、気になっています。コーヒー豆が油っぽいのはなぜでしょう? ※一口に油っぽいといっても2通りがあります。 豆が古くて、コーヒーの油分が浮き出ているもの。 此れは話にならないです。 もう一つは深煎の焙煎もしくは、中煎であっても高温で焙煎されている豆なので豆の表面に油分が浮き出ているものです。 油分が出ていてテカテカしているからと言って、全てが悪いわけではありません。 液体(コーヒー)にして飲んでみて美味しいものは、正しく焙煎されている証拠です。 ただ、ご指摘の油っぽいと言う豆は、油くささが気になって美味しくないのであれば、適正な焙煎がされていない可能性が大ですネ。 おそらく高温で焙煎されている豆のような気がします。 私が低温焙煎と称して自家焙煎しているのは、実はこの高温で焙煎した豆の油っぽい味が好きになれなかったことが、そもそもの動機です。 >近所のコーヒーのお店で買ったら、豆に全くつやが無く、香りも >全然ありませんでした。 焙煎の度数に関わらず、適正に焙煎されてバランスよく火の通った豆の表面には適度なツヤがあります。 全くツヤがないのは、基本的に火力不足であるか、或いは火の通りが悪いかだと思います。 結果、味も香りも弱いと言えます。 そのような豆は歯で噛んみると、硬くて歯ごたえよく噛めないと思います。 火の通りのバランスが悪いからです。 焙煎と言うのは、非常に高度な技術を要する職人技だと思います。 コンピューター万能の時代になって、大手の焙煎メーカーさんでは、コンピューターで火力や温度の管理をするような、自動制御の焙煎機で焙煎されているところが多いようです。 しかし、コーヒーの豆というのは農作物であり、同じ銘柄の豆でも1俵づつ個性があり、全く同じものというのは存在しません。 その違いを見極められるのは、熟練された職人の目(人間センサー)より勝るものはないと思います。 少し、理屈っぽいお話で恐縮です。 簡単ですが、以上のような説明でご理解頂けましたでしょうか? |